ああ、不思議な国、ニッポン
筆者プロフィール VOL.O36

松竹梅の天然記念物が全国にどのぐらいあるのか、約三十ヵ所にある。うなぎのランクにも松・竹・梅があったり、日本人の生活の中で、松竹梅は目出たさや長寿を象徴する植物である。そして、古くから松竹梅は健康を維持し増進するものとして、さまざまに利用されてきたのである。


「松」、古く中国で仙人たちは松葉を常食し、入浴には松葉をちぎって湯に浮かせて温まったという。また松葉の実も仙人の常食とされてきた。「竹」、奈良大安寺ではガン封じの竹酒を出している。

笹の葉で包んだモチやチマキなどが腐りにくいのは笹に防腐作用があるからであり、竹の皮に包むというのも同じ作用効果があるとされる。

「梅」、二千年以前に著わされたといわれる中国最古の医薬書「神農本草経」にも梅の薬効が書かれている。梅干が消毒整腸剤であることや日の丸弁当に入れるのはご飯が傷まないからである。それ以外には梅酒など数多くに梅が利用されてきた。

松竹梅と目出たい時にこの三つがセットになっている。それぞれに縁起がいいのだけれど、
三つ重なるとそれは最上の縁起の良さなのある。



きものの古典柄の中にも数多くの松竹梅文様が見られる、それぞれに使用されることも多いが、時には三種が一度に使用される。それ以外にも和菓子にも多くの松竹梅があり、松に日の出であったり梅に雪であり、竹は葉を用いたり、竹そのものを器に使ったりと、様々に使用されることが多いのである。


正月にも門松や生け花は松竹梅である。それを鶴と亀、これがそろえば向かうところ敵なしである。いつのころから日本人の心の中に"縁起物"といて定着していったにか。自然を敬い恐れ、共生していた時代に、松竹梅の持つ力、を自身に取り入れることで、そのエネルギーをいただいたのだろう。



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協力・中村福助
12月上旬小学館文庫出版予定。