丑の時参り、なんて言葉がある。嫉妬深い女性が、嫉みがましく思う人をのろい殺すために、丑の時(夜中の二時頃)に神社に参詣して、のろう人を模した藁人形を神木に釘で打ち付け、七日目の満願の日には、その人が死ぬと信じられていた。
だが、今でも青森県十和田市の小さな村の入口には、萱で作られた二メートル以上の巨大な男女の人形を見ることができる。これは、村の人々が、外部からの病気や災いから逃れられるように、入ってこないようにとの願いを込めて立てられている。大正時代ごろまでは、県内のあちらこちらで作られていたそうだが、今ではほんのいくつかの集落に残るのみであると聞いた。
消えていゆく風習や行事が多い中で、例えば流しびなのように、各地で続けられている行事もある。 人間である以上、何かから救われたいという気持ちは誰にでもあるはずで、神仏に祈る、願いをかける。それは昔から変ることなく続いてきたのである。