シチリアは地中海で最大の島。
青い海、地中海の太陽、リゾート地や趣ある漁村、美味しいシーフード、
映画「グランブルー」の舞台のタオルミーナのイメージが強く、観光客が少ないだろうオフシーズンのこの冬(2007年〜2008年)シチリアを訪れた。
しかしシチリアはもっと沢山の顔を持つ不思議で魅力的な島だった。
古代からギリシャ、ローマ、ビザンチン、アラブなどの支配を経て1860年イタリア王国に併合されたシチリアは異民族の多様な文化、歴史に彩られ、イタリア本土とは異なる独自の文化のモザイクのような魅力を持った島なのです。
ローマからは飛行機で約1時間ちょっと。
シチリア州の州都パレルモのファルコーネ・ボルセッリーノ空港に降り立つ。
空港の名前はマフィア撲滅のために戦った2人の検事の名前で、1992年、マフィアによって爆殺された。
この由来を聞いただけで、映画「ゴッドファーザー」を思い出さなくても、ここはマフィアの島なのだと実感する。

パレルモはビザンチン(東ローマ帝国)文化とイスラム文化が入り混じり
花開いた不思議に満ちた街です。

歴代の王が住んだ王宮に設けられたアラブ・ノルマン様式の礼拝堂。
内部に入るとモザイク画が散りばめられ、万華鏡のような美しさに圧倒される。言葉も出ない…。
壁画、天井にはキリストと聖書の世界が鮮やかに描かれている。
床のモザイクも見事です。
11世紀末のイスラム、ビザンチン文化の独特の美術はキリスト教美術の最大傑作とされている。郊外のモンレアーレ大聖堂と並んでパレルモ観光のハイライトです。
ヨーロッパ屈指の新古典様式のオペラの殿堂です。
昨年、マッシモオペラが日本に来た時に見に行ったので本物に会えました。
でもここを有名にしたのは「ゴッドファーザーPart3」の最後の緊迫したオペラの観劇シーンと正面階段でのアル・パチーノの娘役のソフィア・コッポラが撃たれるシーンで使われていたのでご記憶の方もいらっしゃると思う。
内部も豪華です。サボィア家のためだったロイヤルボックスも見ることが出来ます。
この2つの教会もビザンチンとイスラムの様式を色濃く残しています。
マルトラーナ教会はシチリア最古のビザンチン様式で内部の壁は金色に輝くモザイクで覆いつくされています。美しい。
サン・カタルド教会の3つの半円ドームは、ハーレムに仕える宦官の帽子を模したものでイスラム人支配を今に伝えている。

パレルモの郊外、モザイクの町「モンレアーレ」です。
ここの大聖堂(ドゥオーモ)外観もモザイクに覆われ、内部のキリスト、聖母、天使、12使徒も全てモザイクです。
圧巻です。
228本の円柱に囲まれた中庭の回廊も全て異なった模様とモザイクが施され別世界にいるようだ。
ここはアルハンブラかイスタンブールかって感じです。
イタリアとは思えないミステリアスな街パレルモでした。恐るべしシチリアです。
そして時代は遡り古代ギリシャ時代の中心地 シラクーサとアグリジェントへ。

シチリアはギリシャの神々が住まう島といわれている。
紀元前8世紀にギリシャ本土の人口拡大にともなってギリシャ人のシチリア島への殖民が開始された。

古代シチリアで最も輝かしい歴史を持つシラクーサはギリシャ都市となりアルキメデスを生んだ。
このシラクーサには紀元前6世紀に建てられたアポロン神殿、アテナ神殿、ギリシャ劇場、など多くのギリシャ時代の遺跡が残されている。(世界遺産)
紀元前3世紀に建てられたギリシャ劇場。現在でも夏には古代劇が上演され世界中の観光客を魅了している。

ろばの耳のように細長い洞窟は当時の猜疑心の強かった君主の名前をとり「ディオ二ソスの耳」と呼ばれ音に増幅効果があり、
ひそひそ話も外に聞こえてしまう。
約2000年後に放浪の画家「カラバッチョ」が名づけたといわれている。
太宰治の短編「走れメロス」はこの君主時代にヒントを得て書かれたそう。

シラクーサは美しい海に囲まれた古代都市だ。
市場には新鮮な魚介類と野菜が山積みされ、海には豪華クルーザーが浮かび広場や海岸通りもゆっくりした時間が流れている。
のどかで美しい街です。モニカ・ベルッチ主演の「マレーナ」もこの
シラクーサを舞台に撮影された。この映画の彼女はきれいでした。
さすがイタリアの宝石といわれるだけあります。
ここアグリジェントはギリシャ神殿が散在する古代都市。(世界遺産)
紀元前5世紀ころ建てられた神殿の中で最も完璧な姿をとどめているのが「コンコルディア神殿」です。
ギリシャのパルテノン神殿といい勝負です。

重厚なドーリス式でギリシャ神殿建築の最高傑作とされている。初期キリスト教時代に教会として使用されていたので高い保存状態を保つことが出来たと言われています。
2月になると白いアーモンドの花が咲き乱れ、一足早い神殿の谷の春が訪れるのです。

オニア海に面しエトナ山を一望する風向明媚な保養地で映画「グランブルー」の舞台としても有名。

世界中の人たちの憧れのリゾート地です。
人口1万人の小さな街がオンシーズンは観光客100万人に膨れ上がる。


海に突き出た崖の上には古代ギリシャ劇場がたたずみ、ウンベルト通りにはお洒落なカフェやレストラン、ブランドショップが立ち並び、そぞろ歩きも楽しい。
そしてここにはシチリアに2つしかない5つ星ホテルが2つともある。
中世の修道院を改造してホテルにした「サン・ドメ二コ・パレス」はテラス庭園も回廊も景色も素晴らしい。お洒落です。

もう1つはギリシャ劇場の下にある「グランドホテルテメィオ」。
2つのホテルは眺めも内部もレストランも素敵です。
ヨーロッパのリゾート地はこういうこじんまりした格式あるお洒落なホテルが多いのでホテルで過ごす時間も楽しみのひとつです。

シチリアには魅力的な小さな町がたくさんあります。

この街はイスラム支配の時代から盛んだった陶器作りが今でも受け継がれている。
なかでも最も有名なのが「スカーラ」です。
1直線に延びている142段の陶器の階段です。
階段の蹴上がりにはマヨルカ焼きの様々なモチーフ模様が組まれモザイクのような楽しさです。
7月24日の聖ジャコモのお祭りにはイルミネーションが灯され、
幻想的な美しさが醸しだされる。(世界遺産)

旧市街からちょっと離れたところに3世紀のローマ時代の貴族の別荘<カザーレ>が残っている。
約40室ある部屋といくつもの浴場、サウナ、プール、それぞれのモザイク画が残っている。なかでも有名なのがビキニを着た女性たち。この時代でもあったのですね。当時のローマ貴族の豪奢な生活を垣間見ることが出来る。(世界遺産)

マフィアの町です。(本当です)
代々マフィアのドンを輩出していることで有名。
「ゴッドファーザー」のドン・コルレオーネのモデルとなったマフィアもこの村出身なのです。
近年、この村で結婚式を挙げる外国人が多いそう。もちろん日本人も。
映画の結婚式のシーンの影響があるそうです。町の人総出でパーティを演出し盛り上げてくれるそう。
マフィアもイメージアップをねらっているのでしょうか。
パレルモから列車で1時間ほどの美しい海辺の町。
「ニューシネマパラダイス」の舞台になったことでも有名です。
この映画は小さな村「パラツォアドリアーノ」にある映画館を舞台に展開する心温まる感動的映画なのですが、このチェファルーも駅の別れの場面や海岸などのシーンが印象的です。
シチリアは力強い野菜と新鮮なシーフード、マルサラワイン、エトナワイン、塩、スィーツ、なにをとっても素朴な味だけど美味しいものばかり。
なんとパンはイタリア中でここが一番。ゴマが振ってあったりしてつい食べ過ぎてしまう。
うに、いわし、たこのパスタたち、魚介類のグリル、リゾット、ピザ・・・。
こんなにシーフードづくしもめったにない経験です。
イタリア本土には行った方、イタリア大好きな方は多いと思う。
シチリアもイタリアの1州なのですが、本土とは全く違う魅力ある島です。
歴史、文化、が素朴な大地でひっそりと息づいていて多様な色をみせてくれる。
どこを切り取っても絵になるところです。
次回はぎらぎらの真夏に行ってシチリアを満喫しようと思っています。

文/写真撮影:山崎百合子
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