アフリカ大陸北西の端、モロッコ王国。その国土に横たわるアトラス山脈を越えた国の南側は、カスバの街とサハラ砂漠。今回の旅での楽しみの1つは、サハラ砂漠の日の出。「砂漠は美しい!」その言葉を胸に出発。

4WDに分乗しワルザザートのホテルを5時半に出発。街を抜け、砂地になってくる。いやがおうにも高まる期待。あちらこちらを出発した車列が、砂丘を目指している。ヘッドライトで前の車が見えているうちはよいのだが、だんだん間隔が離れてゆく。かと思えば、ひょいっと横から車が現れる。そうだ、道路を走っているのではないのだから、と納得。てんでに勝手なところを走っているようでも、到達地点は一緒。

空も仄明るくなってきた。ふと「やうやう白くなりゆく、山ぎは少し明かりて」と頭に浮かぶ。

50分ほど走り、砂丘の入り口に到着。朝日の見える丘を目指し歩き始める。ラクダに乗るお仲間も。しっかりと着込んで覚悟を決めて出て来たのだが、風が吹いていなかったので想像していたよりも楽だった。でも、冷えているし、砂地の登りはなかなか大変。
丘に立ち、日の出を待つ。
いつの間にか、ショルダーバッグをかけた現地人さんも加わっている。「一緒に写真を撮ろう。チップは要らないよ。」などと話しかけてくる。フレンドリーな雰囲気を醸し出しておいて、やおら「それでは日の出までのお時間を頂戴して…」とショルダーバッグから化石を並べる。
はぁ、やっぱりそうだったのね、その1。

さぁ、7時20分、日の出。みるみるうちに砂漠が赤く染まってゆく。
まさに映画「アラビアのロレンス」の世界だ。大地に日が昇ってゆく、この圧倒的な確かさを前にして、もはや言葉がない。

お仲間が持参されたカップ酒を皆で一口ずつ頂き、数日早いが、来るべき年の平穏を祈る。 何と贅沢な時間だろう…

「では、車に戻りましょう」の声に促されて歩き始めると、私ともう一人の女性が、先程の化石売りのお兄サンにむんずと手を取られた。「はぁい、ゆっくり、ゆっくり」とは言うものの、歩き慣れた彼の歩調に、さながら「日本人女性2名砂漠で引きずられる之図」。

出口で解放(?)されるも、彼の手のひらはクルッと空に向かって広げられ、「はい、チップ」 はぁ、やっぱりそうだったのね、その2。

こういったモロッコ人の気質については、
中尊寺 ゆつこ著「アフリカンネイバーズ」
小林 けい著「来て見てモロッコ」
大沢 幸子著 「フェズのらくだ男」
を読むと面白い。

ホテルへの帰途、砂漠の民ベルベル人のテントに立ち寄り、ミントティーを頂く。緑茶にフレッシュなミントの葉と砂糖がたっぷり入ったお茶がひときわ美味しかった。

サハラ砂漠も太古は海だった。アンモナイトや三葉虫の化石が露出している地層を見ることができる。なんとも不思議。

カスバ街道と呼ばれる道を進む。まさに映画の風景! 実際、題名を聞けばなるほど、と思う作品がいくつも撮影されている。車窓からも映画スタジオを見ることができた。

絶景の地トドラ渓谷を経て、丘の斜面に立ち、モロッコで最も美しい村と言われるアイト・ベン・ハドゥへ。


いつもなら、川の浅瀬に置かれた飛び石を渡って対岸の街に入るのだそうだが、この日は水量が多く、ロバや馬に乗って渡る。それにしても、ロバはなんと従順な動物なのだろうと感心しきり。何往復も、重たかったろうに…

貯蔵小屋、家畜小屋、住居、見張り台と
機能的に造られたカスバ内部を見学。
今もこの中に住んでいるお宅も拝見。

椰子の木とカスバ、「絵になる」風景を心に焼き付け、再びアトラス山脈を越えて北側の街へと向かう。

山肌が面白い色に変化してゆく。はじめは苔に覆われた緑の岩盤と思ったのだが、マンガンの吹き出た色だそうだ。他にも鉄分の赤茶色、銅の黄色と見たこともない風景が展開する。

この緑・茶・黄の三色に雪山の白、見ているうちに和菓子?アイスクリームの盛り合わせ?食いしん坊な想像をしてしまった…


カサブランカのハッサン2世モスク。1993年完成。
大きい!豪華!電動で開閉する天井も。
思わず「開けて見せて」

水売りのおじさん達。今は観光客相手の写真モデルで生計を立てる。しばし休憩、歓談中。


(中央)多くの男性が着用しているジェラバ。フードは丸く裁断されていないので被るとツンと角が立ち、まさにビビビのねずみ男。

(右)どこで食べても美味しかったタジン鍋料理。これは、イカ。

(左)街でよく声を掛けられるヘンナ染め。
挑戦する勇気は無かったので看板。

(右)世界遺産に巣を作るコウノトリ




(左)刃物の研ぎ屋さん(中央)パンケーキ屋さん(右)ずばりラクダの肉!


(左)皮のなめしと染色(中央)半地下のパン屋さん(右)奥様のお嫁入り道具の茶器でミントティーを淹れていただく?▼美しい装飾のフェズの王宮



モロッコ、街中の表示はアラビア文字とフランス語!
そして、オレンジが実った街路樹が目に鮮やか。(残念ながら食用ではない) スーパーマーケットの冷蔵陳列棚には、様々な味のヨーグルトが、よくもこんなにと言うほど並んでいる。
マラケシュのジャマ・エル・フナ広場のフレッシュオレンジジュース、3ディラハム(≒42円)、それはそれは美味でした。