ウィーン。ハプスブルグ帝国の都として栄華を極めたオーストリアの首都。
華やかな文化が香り、モーツァルトやヨハン・シュトラウスが活躍し、オペラ、
舞踏会、コンサートに明け暮れる音楽の都。2006年はモーツァルト生誕250年、
来年のモーツァルトイアーに向けてウィーンの街はゆかりの場所の修復や改築の真最中です。
その豊潤な文化の街ウィーンに19世紀末、新しい芸術が花開くのです。
クリムト、エゴン・シーレ、オットー・ワグナーを中心とした世紀末芸術です。




「セセッション」(分離派会館)1897年 
画家グスタフ・クリムトを指導者とした世紀末芸術の波、画家エゴン・シーレ、建築家オットー・ワグナーらとともに「ウィーン分離派」を立ち上げます。その拠点となったのが「セセッション」(分離派会館)で“黄金のキャベツ”と呼ばれている金色のドームが印象的な驚きと見事な美しさの建物です。入り口上部には、“時代にはその芸術を、芸術には自由を”と掲げられており、分離派のオルブリエの建築です。内部はシンプルな白い空間で地下にはクリムトの大作「ベートーヴェン・フリーズ」が展示されておりその巨大なフレスコ画は、感動です。


ウィーンといえば、シェーンブルン宮殿、ベルベデール宮殿、王宮、オペラ座・・・。でも今回、私がウィーンを訪れた一番の目的は美術史博物館のフェルメールの絵とオットー・ワグナーとフンデルトバッサーの建築を見ることでした。
オットー・ワグナーはハプスブルグ家の威風を誇示する建築を嫌い、前衛(モダン)建築に取り組み、駅舎、郵便局、集合住宅、教会など多くの建築をウィーンに残しています。

「カールスプラッツ駅」
(オットー・ワグナー・バヴィリオン)1901年
オットーワグナーの代表作。
大理石と金色の縁取りが美しい駅舎です。バロック調の重厚な建築物のなかに、突然、モダンで優美でお洒落な駅があるからビックリです。見事なデザインです。こんな駅が日本にもあったら楽しいですよね。正面側はワグナーパビリオンとカフェとして利用されています。

「郵便貯金局」1903年
オットーワグナーの代表作。機能的なものこそ美しいという彼の哲学を表現した建築様式の革命的記念碑と言われていれます。
大理石、アルミ、鉄、ガラスを使用したシンプルでクールな研ぎ澄まされた空間の見事な建物です。残念ながら現在、内部は改装中なので入れないのですが、入り口階段付近のシンプル美、建物のビス(なんと17,000本)を多用したディテールのこだわりのデザイン。
100年以上前に作られたなんて、この新しい発想に驚きです。感動です。

「マヨルカハウス」と「メダイヨンマンション」
赤いバラのマジョリカ陶板を外壁に使用したマヨルカハウスと金細工の装飾が美しいメダイヨンマンション。
アールヌーボー調の装飾が美しい。集合住宅ですからもちろん人が住んでます。うらやましいです。



フンデルトバッサーはウィーンのガウディと呼ばれている、画家、建築家。
「自然との共生」をテーマにした建築は有名で、自然保護を訴えたデモにもよく参加してたそうです。最近まで活躍をしていた人で日本が大好きで自然と調和した日本家屋に大きく影響を受け、一時日本人と結婚していた人気の芸術家です。

「フンデルトバッサーハウス」
なんと形容してよいか解らない新鮮な驚き。屋根やテラスから緑の木々が大きく伸びているし、直線は一つもないし、ブロック毎に塗り分けられたカラフルな壁面。信じられない!!人が住んでるの?というほどビックリのおもちゃ箱のような暖かい楽しい建物です。
実際50世帯の住人がいるので、内部の見学は出来ないのです。残念。

「ゴミ焼却炉」
フンデルトバッサーのなんとゴミ焼却炉です。カラフルです。ディズニーランドみたいです。これを見た大阪市が自分のところにも、という事でフンデルトバッサーに依頼して作られたそうです。大阪のは私は見たことないのですが。




インペリアルホテル
ウィーンを代表する5つ星ホテルです。皇帝フランツ・ヨーゼフ1世に愛された1873年建立の伝統あるホテル。現在も海外VIPの迎賓館として使用されています。私が訪れた(ご飯食べに行っただけですが。)前日までチャールズ皇太子がご宿泊なさっていたそうです。
2,3年前、日本の天皇皇后両陛下もお泊りになった。
豪華な内装、宮殿のようなゴージャスさはハプスブルグ家の栄光と共にという感じです。
ロビー横のカフェもおごそかな雰囲気で、ケーキがとてもおいしい。


今、人気のカフェ「オーバーラーア」
ウィーンといえばカフェ。スイーツは「ザッハートルテ」が有名です。スイーツ好きの方ならご存知のザッハーとデーメルの本家争いトルテ(ケーキ)戦争。現在は両方のカフェが「トルテ」を販売し、2つとも有名カフェとして観光客に大人気。でも、最近、土地っ子に一番人気のカフェが「オーバーラーア」です。
ヘルシーなケーキでフルーツなど使ったバリエーション豊富なスイーツで人気です。おいしくて2つも食べましたが、全然もたれない。
おすすめカフェです。





ハプスブルグ家の栄華を極め、数多くの音楽家を育て類まれな優雅な都市として栄えたウィーン。
そして斬新な芸術もおおらかに受け入れ、それが見事に共存している成熟した文化都市。
プラハとウィーン。ヨーロッパの懐の深さ、歴史の厚みを感じた今回の旅でした。

中西祥司さんウィーンカメラスケッチはコチラ→


文/写真撮影:山崎百合子
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