町外れのホテルを夜明け前にタクシーで出て、遺跡の日の出を狙った。東の空がオレンジ色に輝き始め、上空の紺色に向かってきれいなグラデーションが刻々と変化する。そこに唐突に赤い日輪が、ナツメヤシのシルエット越しに姿を見せた。遺跡の石柱がそれをさえぎるように黒々と立つ。なにか大いなる意思にせかされるようにシャッターボタンを押す。 パルミラはメソポタミアと地中海を結ぶ交易の中継点として栄え、3世紀の王女ゼノビアの時代に最盛を誇った。墳墓群のひとつから中国漢代の紙が発掘されたというから、すでにこの時代、ユーラシアの東西を通ずるルートが存在していたことになる。これ、すなわちシルクロードである。