| 電話を頂いた翌日の夜に赤坂の一ツ木通りにあるインドレストランでI女史と会った。これまでにない本格的な会場で開催することになったので、何よりも先にお客様をたくさん集めなければいけないと思い有志達と東奔西走していたので、肝心のステージ演出や進行にまで考えが至っていなかったとのことであった。このような状況ならアドバイスをしても消化できる受け皿が無い。それならば自分で手がけたほうが早いと考えステージの構成演出と進行を引き受けることにしたのである。早速翌日にチャンドラカンント氏と会いコンサートでの演目や要望などを数時間に亘って聞き作業に取り掛かったのである。チャンドラカント氏をメインに、タンプーラ奏者、タブラ奏者、津軽三味線奏者という、シタールと津軽三味線とタブラによる民族音楽の文化交流という異色のコラボレーションが狙いのコンサートであることが分かった。
しかし、これまでにほとんど縁のない音楽分野でありどうしたものかと考えあぐんでいたが、窮余の一策としてプロローグにそれぞれの楽器の持ち味をデモンストレーション的なソロ演奏で示しながらそれぞれの特色を感じていただき、本格的な演奏からは演奏曲の曲調や曲から受ける印象などをイメージしながら照明による色彩でステージを染めて観客の気持ちをステージに引き込ませたら聴く人の心に音楽がより深く入り込むかもしれないと考え彼に話したところ、これまではスポットライトだけのシンプルなステージだったので面白いアイディアだと快諾され一任された。この考えに沿って、当日の演奏曲を聴きながら照明での色彩構成を考えながら演出進行台本の書き下ろしや、運営マニュアルを作ったりして当日を迎えたのである。無事にコンサートは終えたが照明による色彩演出がどうだったのか不安であったが、演者からはメリハリがあって気持ちよく演奏できたと言葉を掛けて頂いた。観客からは、演奏と色彩とがマッチしていて楽しめましたとの声を耳にして安堵した。
今回の突発的なチャンドラカント氏との出逢いから、彼のシタール演奏による音楽療法セミナーの体験や、5千年以上も前からインドに伝わる伝統医学であるアーユルヴェーダに触れることができた。ストレスが溜まっているようだし、仕事柄考え事が多く脳を酷使しているはずだから、シロダーラを体験することを勧められた。シャワーで身体を清め、問診が終わるとベッドに上がり温めたオイルを眉間にたらし続けるトリートメントで、オイルが落ちてくる感覚はなんともいえない心地よさ。静寂の中インド音楽を聴きながらの30分はこれまでに経験したことのない時間が止まったような不思議感覚に浸ったひと時であった。思いもかけなかった突発的な仕事が、縁は異なもの不思議な出逢いという楽しみを教えてくれた。シロダーラ・・・癖になりそうである。 |