VOL.069



 先日、開催された「白州次郎と白州正子」展に行った。白洲次郎は昔から私の憧れの男性だったが、そのルックスや生活スタイルだけではなく、さらにその人間性に興味を持ち、憧れは深いものとなった。いや私ばかりでなく、多くの日本女性の憧れの男性像かもしれない。
 その展覧会は大変混みあって盛況だった。生き方やスタイルを持った人が少なくなっている今、彼らの生き様が、こだわりのスタイルが、注目されているのかもしれない。
 白州次郎さんは、プリンシプルを尊重し、ダンディズムを大切にして、すべてのことにこだわりを持って生きた人だ。また、一方では、はっきりした物言いで、物議をかもした人でもある。彼は日本には珍しいタイプの真の国際人で、その生き方は、一言で言えば潔く、カッコイイ。お金や物のためには決して生きなかった自由人だ。
 しかし彼の人生が、彼の生きかたがこれほどまで注目されたのも、並外れた外人にも負けないルックスにあったと思う。留学中の写真を見ても外人の中で、見劣りすることはない。身長180センチ以上の長身に、端正な顔立ち、英国風の洋服の着こなし、その抜群のセンスは留学した英国仕込みだった。彼の容姿は比類まれなく美しかった。そしてその妻、正子も個性豊かで聡明で美しい人だったが、正子までが次郎のアクセサリーに見える。
 つまり金と力のある美男だからこそ、その生き様は注目され、話題にもなった。もし彼の容姿が美しくなかったなら、ここまで彼の生き様が注目を集める事もなかったに違いないと思うのは私だけだろうか。
 年とともに魅力を増す彼の写真の横顔を眺めているたら、その中に、彼の頑固さが見えた。一つ一つのこだわりに忠実にしていくことは、ときとして頑固であることでもある。彼の主義主張を通すために、彼のダンディズムを維持するためにも、守り抜いた、たくさんのことがあったはずだ。並々ならぬ意思と、努力と、経済力を必要としたに違いない。
 ミドルエイジになると頑固になりながらも、本当に必要な自分の「こだわり」を捨ててしまう人も多い。しかし、年輪を重ねてきたからこそわかる、自分自身の生き様やスタイルを捨てるのはもったいない。何でもいいと思ったら、そこからすべては崩れてしまう。私たち凡人でも、あきらめずに、自分のスタイルを守って生きていけば、いつか、いぶし銀のような魅力が出てくるに違いない。
 白州次郎のスタイルのある生き方を見て、日本人はもっと自分のスタイルを持って生きる事を学ばなければならないと思った。物のために「こだわり」を捨てる人が多くなった今、彼の生き方は私の心に鮮烈な印象を刻んだ。




《新刊本のご案内》
「人に好かれる“大人のキレイ”を楽しむ習慣」
50歳からのさり気ない気品が身に付く
青春出版社 定価1,200円(税別)


昔、気に入っていた服を思い切って捨てましょう!
50歳をすぎたトップモデルの著書が
あなたの新しい魅力を教えてくれる一冊




宇佐美恵子(うさみけいこ)
トップモデルとして活躍していた経験を生かし、テレビ、ラジオ、雑誌、そしてファッションショーの司会などで活躍。NHK文化センターをはじめとする各種カルチャースクールの講師。近年は、自己の経験をもとに、ファッションから健康管理まで心身ともに「いつまでも、若く、美しく、いきいきとした暮らし」をテーマに全国各地で講演を行っている。著書『“いい女”になる33のヒント』(三笠書房)は、現在11刷りと大好評。